派遣の話をするんじゃい

人材業界で感じたことを率直に書いています(^^)

なぜ派遣社員はすぐ辞めるのか?

お疲れ様です。

 

「すぐ」とは、「予告なく」という意味で考えています。

 

「すみませんが、今日で辞めようと思います」

なぜ、予告なく急に退職に至ってしまうのか。

これは派遣元・派遣先、共に真剣に考えなければならないテーマです。

 

予告・・・予め告げる

ごく一般的には、退職に至る際、理由は様々だと思いますが、

なんかしらの予告があるものです。

「そろそろ辞めようと思っている」

「別の仕事がしたい」

「今の仕事に限界を感じる」

「家庭事情で続けられなくなるかもしれない」

 

そんな情報が、同僚・人事担当者が聞き、作業変更・部署変更、

その他対応方法を検討するという動きが行われると思います。

 

しかしながら、職場側では改善が難しい、本人の意向との折り合いがつかない等となった場合、今後の進退を本格的に検討・時期を決定し、退職というゴールに向けての調整が行われます。

 

派遣社員でよくあると言われるのは、上記で言うところの「ゴール(退職)」がいきなり来てしまうケースです。予告なし。

 

人それぞれ様々な考えの中で退職に至るのですが、

そうなってしまう理由はなんでしょう。

 

1.相談したいけど相談できる相手が職場にいなかったから

2.相談してまでこの会社で続けていこうと思っていないから

3.自分が急に辞めても職場は困らないと思っているから

4.他にもいきなり辞める人はいるので自分も同じで良いと思ったから

 

労働契約は双方合意がなければ叶いませんので退社自体をとやかく言うつもりはありませんが、いきなりの退職は多大な影響を及ぼします。

 

・退職された方の業務を、残りのメンバーでどのように分担するか

・いきなりの退社では、準備の時間がなくひとまず即日にスクランブルで対応を進めなければならない

・早急な後任者の手配、それまでのフォローをどうするか

・引き継ぎ等がなく、業務の進捗状況を把握しきれない

 

企業活動は、人の力が大きな影響を与えます。

一昔のように、少し待てばまた新しい派遣社員さんが来るだろう、なんて呑気な事を言っていられる状況ではなくなりました。

世間では人手不足倒産(閉店)がめっきり増えています。

 

10人で行っていた仕事を、退職により9人が行うとして、

当然残業増加が懸念されます。新人が入ってきて10人に戻ったとしても戦力的には9.2とか9.3人分程度で、教育担当となる方については自身の仕事をこなしつつ、新人のフォロー・教育にあたるのである程度の期間は負担増大です。

 

そんな状況の中で、例えば繁忙期を迎えてしまう、特需により忙しくなる等の状況まで絡み合うと非常に大変な状況となります。

職場が大変でバタつき始めると、業務管理にも影響が出てきて管理不十分の状況下となることによる労働災害の発生、ヒューマンエラーの発生、ストレス過多、メンタル府庁舎の発生など、様々な影響が出ます。そういった原因でさらに1人の退職が発生すると、10人分の仕事を8人で行わなければならなくなるかもしれません。

そして、そんな状況の中に飛び込んできた新人は、手厚いフォローも丁寧な指導もなく、嫌気がさして早期退職など。散々な状況となる可能性があります。

 

要は、新しい労働者を受け入れる企業は、しっかりと一人ひとりに丁寧に入社教育・業務教育、一定期間は業後のフォローをする等実施して大切にして頂きたいのです。

 

長期的な視点では出生率の低下により生産年齢人口は年々減少する傾向にあり、企業からすると人材確保が難しくなってくることが懸念されています。そういった中で注目されている中高年の方々については、一般的に若年層と比較すると身体能力の低下が想定されるため、現場の生産性を維持するためにはそれなりの受け入れ体制を整備しないと、中高年の方々が力を発揮することが困難になり、人の人数の割に成果としてのアウトプットが悪く、生産性低下に繋がります。

 

皆さんの職場は、派遣社員さんが相談できるような環境でしょうか?

派遣元会社の皆さんは、一人ひとりに気を配ることが出来てますか?

 

派遣先企業さんは、今や派遣社員さんのおかげで現場が運営できていると言っても過言ではありません。もし、派遣社員の受け入れを廃止し、すべて自社雇用へ切り替えた場合、求人募集から採用活動、人件費のコントロールまでを含めて健全な利益構造を維持できますでしょうか。

私は派遣会社サイドの立場ですが、派遣会社は派遣社員さんが存在するおかげで自社が利益を得て運営できています。

 

派遣社員さん一人ひとりとしっかり向き合う

派遣社員さんにも少しでも責任を与えて自覚を持っていただく

・給与対価は経験年数・スキル・実績を考慮して、派遣先企業と協力してコストをかけて還元する

・特に新人さんへのフォローを派遣元・先が連携・情報共有して実施する

 

派遣社員さんのほとんどがボーナスや退職時の退職金がなかったりします。ですが、続けてくれる方はそれでも続けてくれますし、予告なく退社するなんて状況は起こらなくなります。

待遇面の影響だけではないのです、いきなり退社することは。

 

私は、派遣社員がすぐに辞めてしまう原因は派遣元・先のそれぞれ使用者側にあると考えています。自社に合う人を探すのではなく、自社に溶け込んで頂けるような受け入れ態勢、その後のフォローを実施していくことが大切です。

 

非常に大変なことですけど、一人ひとりが行動を変えていかないと、

本当に派遣社員も自社社員も集まらないような評判が悪い会社になってしまいます。私は実際にそういった派遣元・先の企業さんを見てきて(倒産)います。

 

人事に携わっている皆さん、頑張りましょう。