現在急増中の「入社祝金」について
お疲れ様です。
全国的には求人件数が増加傾向にある中で、企業における人材確保の競争が激しくなっております。
そのような中で、チラホラ見かけるようになってきているのが、「入社祝金」という内容です。
昔は主に自動車関連の期間工員募集の広告に、入社祝金や満期慰労金、契約延長祝金などが謳われていました。
・入社祝金 50万円!
・6ヶ月後の満期慰労金として50万円!
・6ヶ月期間満了後、契約更新の方は30万円!
もう盛大な広告です。
各企業は、他社に負けじと様々な魅力的な待遇を打ち出すのですが、
自動車産業については特に金額も大きく、賑やかでした。
さて、そんな入社祝金ですが、今回は派遣会社に特化して考えてみるとその支給方法については様々のようです。
当然、現金をばらまくようなことは出来ないでしょうから、最低限支給要件を設定しているそうです。
例えば、【入社祝金30万円(詳細は面談にて)】なんて求人があったとします。
①入社した最初の給料日に+30万円支給する
②入社から2ヶ月間の出勤率が100%だったら、3ヶ月目の給料日に+30万円支給する
③入社してから1回目の給料日に+10万円、2回目の給料日に+10万円、3回目の給料日に+10万円支給(合計30万円)
④入社してから6ヶ月間の勤務を全うしたら、入社7ヶ月目の給料日に+30万円支給する
⑤入社した日の2週間後に5万円支給する、残りは2ヶ月後の給与に+25万円支給する
等々、いろいろと各企業考えています。
基本的には賃金とは別の考え方のようですので、支給要件は自由に設定するものと思いますし、就業規則に謳われているようなものでもなく、時限的・一時的なキャンペーンのようなものです。
ですので、入社祝金が予告なく終了することもありえます。
私個人的には、頂けるものは頂けば良い、と思っています。
たまたま就職活動をしようと思ったタイミングで、たまたまそんなキャンペーンをしていた。その方の運みたいな部分でもあります。
ただし、気を付けて頂きたいのが、何故その入社祝金を設定したのか、という点はしっかりと考えて欲しいと思っています。
働き方が多様化する中で、派遣で働くこと自体の善し悪しは無くなってきているように思います。その方々個人の価値観、求めるもの、それぞれに合っていれば良いです。
企業側の思いも汲み取らなければいけないと思いますが、企業(派遣会社)の立場から入社祝金を考えると、「正社員として雇用することは難しい、その変わりこのくらいのサービスはしたい」という思いの企業が多いと思います。
派遣会社は、派遣先企業の要求に基づいて求人対応をしているので、長期で雇用したくても出来ない、高い給与(時給・月給)で募集したくても派遣先からの契約料金が安価でここまでしか給与が出せない、といったジレンマがあります。
だけど、それでも多くの方の派遣をしなければならないので、打開策として「せめて入社祝金を」となるわけです。
冒頭書きました自動車産業における満期慰労金も企業さんの思いとしては同様だと思います。
就職は出会い、交際みたいなもので双方に選ぶ権利があります。
最終的にはその仕事に応募するご本人の意思次第となりますが、
「あなた自身が仕事に対してどのようなことを求めているのか」ここが大事なことです。
いくら入社祝金が盛大であっても、自身が考えている将来設計と異なるのであれば、そこに進むべきではないでしょうし、戦略的に「一旦、ここで入社祝金をもらって資金に余裕を作ってから本来の目的に進む」というのが意思であれば、それもそれで良いです。
よくよく考えれば、入社することに対して(例えば)30万円ものお金が付いてくるなんて物凄いことです。最近の求人広告にはそんなことがよく掲載されているので、感覚がおかしくなりそうですが、冷静に考えれば企業さんは相当な費用を掛けていることになります。
それだけ職場が忙しい、人手が足りない、働き方の再検討が進む中であまり残業をさせられないから人手を増やす必要がある等、そこには企業の思いがこもっています。
「入社祝金」
こんな広告が出回るほど、現在は業績が上向きな企業が多く、人手不足の企業が多くなっているのだと思います。また、見方を変えると「入社祝金」のコストを捻出できない企業さんは人材確保の競争に一歩遅れることとなってしまう可能性もあります。出したいけど出せない、そんな企業多いと思います。
そこで、人材確保に差が出てくると資金力のある会社、乏しい会社で勝劣が分かれ、今後の企業活動においても後れを取る可能性があるわけです。
企業さんが入社祝金を設定する・しないに善し悪しはありません。
また、求職者の方が入社祝金を選択する・しないにも善し悪しはありません。
求職者サイドとしては、自身の今後の構想にあった企業を選択する、企業さんサイドとしては他社には影響されずに自社に合った(社風・コスト面)求人活動をする、これが大切だと思います。
入社祝金100万円!なんて求人が出てこないことを願いますが、
世間はコロナ禍で大変ですが、業績については上向きの兆候が出てきている、と良い意味で「入社祝金」の存在を見てもらいたいと思います。