派遣の話をするんじゃい

人材業界で感じたことを率直に書いています(^^)

契約内容通りの仕事してますか?

お疲れ様です。

労働者派遣では、派遣元企業・派遣労働者・派遣先企業の三角関係の中で業務が行われるわけですが、労働諸派遣法は労働者保護の観点が強く、その契約内容通りにしっかりと実施されているかどうか、厳しくチェックされています。

派遣先の責任者は誰か、業務の指揮命令をするのは誰か、どんな仕事をお願いするのか。これらがきちんとしていなければなりません。

私は、派遣先企業から説明を求められた際にはいつもこのような例えで話をしています。

「派遣先は、他人の子供を自宅で預かる気持ちで派遣社員のことを考えて欲しい」

*派遣先目線で考えると、

派遣先⇒自分

派遣社員⇒子ども(誤解があったらすみません)

派遣元⇒他人

となります。

他人の子どもを自宅で預かったとしたら、その親に対して、自宅ではどんなことをして遊ぶのか、何時から何時まで遊ぶのか、危険なことがないかどうかは誰が見るか、食事はどうするか、いろいろと気を払うと思います。また、預ける側(派遣元)としては、その内容を知れたことで安心します。一番大変なのは子ども(派遣社員さん)で、自分の親(派遣元)、預けられた人(派遣先)の説明を信じることしか出来ません。

当然、その説明に虚偽がある、実情は異なる、なんて思わないでしょう。

労働者派遣は、3者の信頼の中で成り立っています。

世間で発生している労働災害の中には、契約内容とは違った業務をしていて被災した。教育担当が付いておらず一人で作業していた、派遣社員が日頃どんな作業をしているかを指揮命令者が把握していなかった等、契約内容が全うされていないケースもあります。

とは言え、企業活動の中には予期せぬことが起きることもあります。

単発的にいつもと違う業務をお願いする場合もあるでしょう。私の見解としては、それ自体が問題ではなく(なければ無いで良いのですが)、そういったことも含めて、派遣元・派遣先がしっかりと連携しておくことが大切です。そして、そうあることが「管理している、管理できている」ということだと思います。

「管理」という言葉には、窮屈なイメージがあるかもしれませんが、管理は非常に大切なことで必要不可欠です。被用者と言われる所謂サラリーマン(男女共に)は基本的に管理される側です。使用者は管理する側です。被用者の中でも、一定の範囲の管理を任されている人もいます。(管理職)

派遣先・派遣元がしっかりと状況を把握し、共有・連携し、あるべき姿を維持するようにしっかりと管理する。これが出来ていないのであれば、従業員を雇用する資格は無いとも思ってしまいます。

なぜか。派遣社員さんはその仕事に自身の時間と労力を掛けて、生活のために頑張りに来ているからです。当然、派遣社員さんにも契約した以上は、きちんと業務に専念する義務があるのですが、その根底には派遣元・派遣先企業を信頼して、自分の生活を預ける気持ちで雇用契約書に押印し、就業場所に来ているからです。

最近の派遣業界では、経験豊富は労務管理者が減っているように感じていることは以前書きましたが、労務担当者ご本人の経験不足は言い訳にはならず、担当する以上はきちんと判断できる能力がなければいけません。

契約内容通りの業務をしていない、そんなことが無いようになることが派遣業界の信用を高めることにも繋がりますし、派遣元にとっては派遣社員・派遣先企業からの信用・信頼となり、業績向上にもつながると思います。

派遣社員さんのなかで、そういった状況がある方、心配な方は是非一度労務担当者の方に相談してみて欲しいと思います。