派遣会社によって異なる時給
お疲れ様です。
派遣会社によっては時給(給与)が違うって、よくある話です。
当たり前なのかもしれませんが、昔からよく質問があります。
一般的に、派遣社員の給与の決定方法としては、その派遣会社がどのような給与設定の決定方式を用いているかによって変わってきます。また、派遣会社ごとの給与テーブルの如何にもよるでしょう。
派遣社員の給与設定の決定には、
・派遣先企業との均衡待遇を図ることによる決定方式
⇒ 派遣先企業で同一の業務をしている方と同等の待遇になるような水準にしていく方式
・派遣会社(派遣元)による労使協定方式
⇒ 派遣会社内における会社と労働者の協定内容に基づいて、職種ごと、経験年数、スキルレベル等で設定した給与テーブルの水準にしていく方式
があります。
いずれの方法を適用するにせよ、最終的には派遣会社にて設定していくわけですが、そこに派遣会社の採用努力があり、「他社はこのくらいの時給だから、うちの会社はもう少し上げよう」といった動きがあるのです。電器屋さんが「他店よりも安く」と努力することに近いと思います。
ただ、給与設定にも限界はあります。
根底には、派遣先企業との契約料金の金額の如何が影響するからです。
例えば、派遣会社と派遣先企業との契約料金が、
1時間当たり1,000円だった場合、派遣会社が派遣社員に支払える時給は700円、といったような目安があるのです。
・貰えるお金は1時間1,000円
・支払うお金は1時間700円
・1時間当たりの利益は300円
といったイメージです。
派遣会社は、一般的に利益額・利益率の設定基準が定められており、上記のケースでは利益額300円、利益率30%となります。
逆に考えると、時給700円の設定をしたければ、派遣先企業との契約料金が1,000円以上でなければいけません。派遣先企業との契約料金が1時間当たり980円だったら、支払う時給を700円には出来ません。
派遣会社も営利企業なので、儲けが出なければ出来ません。
ですので上記のケースですと、他社が720円で求人募集をしていたとしても、利益率30%以上厳守の派遣会社は、派遣先との契約料金が1,000円の場合には同等の720円の設定が出来ないのです。
一般的に、時給720円と700円で同じ業務であれば、高いほうが求職者に選ばれると思います。
それであれば、その求人に関する募集広告を出しても応募の見込みは薄くなりますから、だったらそもそも求人募集を行わない、その企業での募集は取りやめ、もっと条件の良い派遣先企業に注力しよう、といった動きになるのです。
募集効果の低い広告は、ムダなコストとなる可能性が高いからです。
上記は一例となりますが、利益額・利益率の設定基準は派遣会社によって異なります。運営に余裕があり、利益率をある程度妥協できる会社もあれば、高い利益率でないとダメだという派遣会社もあると思います。
そういった水面下での様々な検討があり、同じ業務でも時給(給与)が微妙に異なるのです。