派遣社員はなぜ時給制が多いのか
お疲れ様です。
派遣社員はなぜ時給制が多いのでしょうか?
>一般的に1番多い回答は「派遣先企業との契約料金(派遣料金)が時間単位で設定されているから」です。
ではなぜ、派遣料金が時間単位だから、派遣社員の給与が時給制となるのでしょうか?
>利益が取れなくなる月が発生するから、です。
労働者派遣事業を行う時には、お金の面では2種類のお金が動きます。
①派遣先企業との契約料金(派遣料金)
②派遣社員との契約料金(給与)
【例】
①派遣料金 1時間当たり 2,000円
②支払時給 1時間当たり 1,500円
※1時間当たりの利益 500円
(シミュレーション)
1日 8時間勤務
1ヶ月20日出勤の場合の1ヶ月あたりの計算
①2,000円×8時間×20日=320,000円(売上)
320,000-240,000円=80,000円(利益)※利益率25%
通常の月は上記のような損益となります。
年末年始が訪れました。
今月は出勤日数が少ない月では…、
1ヶ月17日出勤の場合の1カ月当たりの計算
①2,000円×8時間×17日=272,000円
②1,500円×8時間×17日=204,000円
272,000円-204,000円=68,000円(利益)※利益率25%
利益率は変わりませんが、出勤日数が少ない分だけ
売上も利益も下がります。
では、月給制だったらどうか?
>仮に月給制の設定金額を下記のようにします。
240,000円 ※1,500円×8時間×20日にて算出
月給制の場合、出勤日数が少なくても欠勤・早退・遅刻などが
なければ、給与は変わりません。
その月給制で、出勤日数が少ない月を迎えたらどうなるか?
>
①2,000円×8時間×17日=272,000円
②240,000円
272,000円-240,000円=32,000円(利益)※11.7%
このように利益が大幅に下がってしまいます。
6ヶ月以上の勤務者で、有給休暇を使用した場合は、
派遣先からの売上が1日分下がり、給与は変わらないわけですから
薄利で当月単体で赤字の可能性も出てきます。
労働者派遣事業は、基本的に薄利なのでこのような
小さなことも事業運営には大きく影響してきます。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、
売上の日数と同等の分だけ支払い給与を計上する(時給制)
ほうが、安定した利幅を維持出来るのです。
基本的にはこういった考え方の中で、「時給制」と設定する
ことに至っていることが多いです。
時給制にも月給制にもそれぞれデリメリがあるので
どちらが良いとは言えませんが、その点は派遣社員さん
各々にも好みが分かれるところかもしれません。
そんなことで、昔から時給制が多いので、
派遣社員=時給、といったイメージがあるかもしれません。
ちなみに、私個人的には、フルタイム勤務者は月給制、
パートタイム勤務者は時給制、の考えです。
ずっと月給で働いてきた方は、時給の金額を聞いても
今の自分との比較がパッと浮かばない方が多いです。
逆にしても同じです。
あなたの時給はいくらですか?
計算機を叩いて計算してみると、
求人広告の見方が少し変わるかもしれません。