退職勧奨したときの話
お疲れ様です。
最近はご無沙汰しておりますが、
問題児(勤怠不良、素行不良、規律違反者)と面談する際に、
「退職する?続けたい?」という問いかけをすることがあります。
これは教育にも繋がる部分なのですが、派遣会社って沢山の人が
就業すれば売上に比例していくので、1日でも1週間でも雇用を伸ばそうとします。それは、会社の業績向上の取り組みとしては良いことで、
それ自体がひとつの「営業努力」でもあります。
一方で、それが故に厳しい言葉を伝えなかったり、現実を見せなかったり、することがあり、それは派遣社員本人にとって望ましいことばかりではないと思っています。
派遣社員に嫌われたくない、辞めてもらっては困る、こういった理由で
例えば規律違反をした者にしっかり注意が出来ていなかったり、相手が気が付いていない改善点を指摘しなかったり、ありませんでしょうか。
派遣会社は、辞めてほしくない、雇用を伸ばしたい、という気持ちが根底にあるので、基本的に教育の面では甘いと思ってます。
冒頭書いたような「退職する?」と問いかけたケースですが、
40代の男性でしたが、業務中に居眠りをしてしまう方がいました。
同僚の派遣社員から報告があって、発覚したのですが、パッと見は
非常に真面目そうで、勤怠も問題なく遅刻・早退・欠勤など全くなし。
仕事は少々不器用ですが、頑張っているように思っていました。
業績としては、しっかり出勤しているのですからそれなりの売上が
計上されて問題ありません。むしろその職場の中では1番勤怠成績は良かったです。
後日、1度目の面談をしました。
この面談は、同僚からの報告の事実確認をするための面談です。
本人は事実を認めました。(自覚がありました)
業務上の困りごとや体調面、家庭状況など、本人が話せる範囲のことは確認した上で、少々就寝時間が遅く感じたのでその点を改善するように促して解散しました。
しかし、1週間も経たぬうちに再度発生します。
1度目の面談以降の勤怠は相変わらず問題なし。
2度目の面談、1度面の面談以降の行動改善の状況確認をしました。
就寝時間を早めるようにしているとのこと。しかし、結果が出ていない。
ここで私が気になったのは、言葉では反省の意を示していますが、
本人の根底の意識が変わっていないように感じたことでした。
「誤っていればなんとかなる」と考えているのかもしれません。
そこで私のほうも腹を決めて、相手の心を刺激することにしました。
「事情はどうであれ、いまの勤務態度では仕事はお願い出来ない。○○さんに対する信用度が下がっているから、業務上の報告事項もすんなり受け入れることが出来なくなっている。退職する?続ける?どうする?」
誰でも、様々な事情を抱えながら仕事をしています。
自身のこと、家族のこと、その他、働く理由がある、働かなければならない理由がある、その事情を抱えながらも、勤めさせて頂いている会社の方針に従って労力を提供することで、対価を得ています。
そんな態度でも勤務を続けられると思われてしまっては、職場のことを甘く考えられてしまうし、他の同僚の管理にも影響が出る。
私は業績よりも、職場の良化を求め、この方の手放す覚悟をしました。
その結果は、上記の面談です。
2度目の面談の際、本人は「仕事を続けたい」という発言をしました。
申し訳なかったですが、その発言に信用性が見いだせなかったため
A4用紙1枚分の反省文を提出させました。
金曜日に面談して、翌週月曜日にしっかり提出してきました。
非常に大変だったと思いますが、その後居眠りは解消されました。
体調や生活リズムの問題ではなく、意識の問題だったと思います。
2度目の面談前には、派遣先企業さんに対して、勤務状況が改善されなければこちらの判断で勤務を終了させる可能性がある旨は事前報告しておきました。
この対応はベストかと言われるとわかりませんが、
このくらいのことをしないと、派遣という働き方が軽視されるばかりでなく、派遣先企業さんにも、「ただ、人を送ってくるだけ」と捉われてしまう可能性があります。
派遣先は、派遣社員に対して、しっかり出勤し、業績に貢献してもらえることを期待して契約をしているはずです。出勤すれば良いというわけではありません。
厳しいことを求めない、悪いことを許してしまう、派遣会社の悪い部分だと思っています。派遣社員として勤務することは、一時的・臨時の雇用、といった派遣事業のそもそもの趣旨を考えると理想的な働き方ではないかもしれません。
ですが、お金を頂く以上は、責任の度合いはどうであれ、一人ひとりの労働者は責任があります。職場は集団生活である以上、規律を守った行動をしなくてはいけません。
あまり、こんな場面には出くわしたくありませんが、
私が感じる派遣会社の課題です。
人を成長させなければ、会社の成長も無し。
そんなことをふと思い出しました。